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「アウタールーム」という新提案とオール電化設備がポイント  「のびやかで明るく、あたたかい家に」という願いをかなえたオール電化リフォームの機能性と快適性―――HT−house
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建築写真/畑 亮
リフォームという限られた条件のもと、三世代6人家族のための快適で開放的な住まいを実現した「HT−house」。大幅に見直した開口部のプランや家族の回遊動線に配慮した開放的な空間構成、そしてオール電化設備の採用など、典型的な郊外型住宅の間取りを洗練された生活スペースへと昇華させた数々のアイデアについて、オール電化リフォームのメリットや可能性とともに白崎泰弘さん、白崎治代さんに伺いました。
「アウタールーム」というアイデア
外観、内観ともスタイリッシュで、広々とした印象の「HT-house」。建て直しではなく、あえてリフォームだったとのことですが、どのようなご要望があったのでしょうか。
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[左]門扉をへて木製ドアの向こうに玄関をのぞむ「アウタールーム」。
[右]袖ガラスからさらに奥の庭が見え奥行きを感じさせる。玄関の下足カウンター付近は、透明感のあるガラスレンガを下からライトアップ。

白崎泰弘:
施主は3人の娘さんをもつ30代のご夫婦。奥さまのお母さまが独り住まいしていた実家で同居することになり、リフォームを決められたとのことでした。三世代6人でのびのびと暮らすには、延床面積100m2ほどの既存の住宅はやや手狭。暗い、寒いと問題点はありましたが、計画時に築12〜3年とあまり老朽化はしておらず、建て直すのはもったいないというお考えもあったようです。

白崎治代:
単に「もったいない」というだけでなく、お母さまが建てた家に対する思いを大切にしたいともおっしゃっていました。その反面、ご夫婦はなるべく新築の気分も味わいたいとのことで(笑)。道路に面した東側への増築を中心に外観デザインや内部の空間構成をリニューアル。また既存部分も階段をつけ替えたり水回りを一新したりと大幅に改修しました。

かなり大がかりだったわけですね。では、まず増築部分のプランについてお聞かせください。
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「アウタールーム」によって、開放的な雰囲気にリニューアルされたリビング。テーブル形式のダイニングから、サイドボード、座卓のリビングと視線の高さをコントロールすることで、のびやかな空間を演出(撮影/畑亮)。

白崎泰弘:
玄関へのアプローチ部分の道路境界側にガルバリウム鋼板で壁を立て、半戸外的な通り土間をつくりました。「アウタールーム」と名づけたこのスペースは、リビングと道路とのいわば緩衝空間。人通りの多さを忘れさせ、静けさをもたらしてくれます。また、門扉を確実に施錠すれば、セキュリティ面にも配慮しながら、夏の暑い夜などに涼しい風を取り込むこともできます。

白崎治代:
外から見ると黒のガルバリウム鋼板ですが、中から見ると木調の壁。内部空間の延長として広々とした印象を与えるという面でもうまく働いています。以前は通行者の視線が気になってカーテンを閉めっ放しにしていたというリビングですが、現在は「アウタールーム」に向かって開放。プライバシーを守りつつ光を取り込むことが可能となって明るくなりました。

フレキシブルに使える子供室
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[上]勉強コーナーに光を取り込むため、既存の屋根を改修しガラス瓦を使ったトップライトを設置(撮影/畑亮)。
[下]間仕切りに使う可動式クローゼットは、通常ワイヤー操作で車輪を上げて家具内に収納。地震時の横滑りを防止する。
「アウタールーム」やリビングの上部には、3人の娘さんのための子ども部屋が用意されているのですね。

白崎泰弘:
3年ごとに変わる娘さんたちのライフステージに順応していくため、それぞれの個室をあらかじめ用意するのではなく、成長に合わせて自在に仕切ることのできる寝室と勉強コーナーを一室ずつ、というご提案にしました。13.5畳のワンルームの寝室には、入り口も照明も3つ設けてあります。また、収納は間仕切りに使うことができる可動式のクローゼットとしました。

白崎治代:
勉強コーナーには、並んだ娘さんたちが勉強を教え合う場面を想定して5メートルの長机をつくりつけました。勉強に集中するときにはロールブラインドを下ろしてブース化できるようにしてあり、3つのスペースにはそれぞれ照明・コンセント・LANを用意。こちらは、奥さまが家事をしながら勉強を教えたり三世代でくつろいだりと、家族のコミュニケーションスペースにもなっているようです。

開放的な空間構成が、家族の結びつきにもよい影響を与えるのかもしれませんね。

白崎泰弘:
近くに家族がいる環境の方が、勉強がはかどるかもしれません(笑)。個室とは別に勉強コーナーのような「公室」を設けるアイデアは、子ども部屋は個室がよいか大部屋がよいかといった議論に対してのひとつの回答になるのではないかとも感じています。また、開放的な空間構成ということでつけ加えると、今回は快適な室内環境を実現するために重要な断熱性の面でも徹底した改修を施しています。

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「外観に関しては、既存部分の白い外壁と増築部分の黒い外壁による二色対比によって、モダンな印象を演出。元の住宅の色を残すことで名残や履歴を感じさせることも意図しています」(白崎泰弘さん)。
「テクスチャーはやさしい雰囲気のものをセレクト。ガラスレンガやすりガラス調フィルムの使用、また木の素地が透けて見える塗料の拭き取り仕上げなどによって奥行きも感じられます」(白崎治代さん)。

白崎治代:
当初は壁や天井の下地を残す計画だったのですが、木軸の欠損や構造の不整合が目立ったため、今回の構造計算に必要な柱・梁に関わる部分は全面的にはがして補強。その際に、劣化していた断熱材もすべて交換しました。加えて、1階の床下に断熱材が入っていないことも判明。施主が、1階の底冷えをどうにかしたいとおっしゃっていた理由がわかりました。

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