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各界のスペシャリストからも大きな期待が寄せられるEV。
積極的な取り組みが進められる、政府による普及支援。
日本EVクラブ 代表 舘内 端 氏
日本EVクラブ 代表 舘内 端 氏

子どもたちやお年寄りも、きっと笑顔になるEVのある世界。

クルマに乗るたびに、ぬぐえない心配事がある。それは、自分のクルマから排出される二酸化炭素が 地球を温暖化させているということだ。何しろガソ リン1リットルが燃えると、2.4kgもの二酸化炭素が 排出され、平均的なドライバーがマイカーから 1年間に排出する二酸化炭素は5トン近いのだ。それ ばかりか、クルマの排ガスによる健康被害も気に なるし、限りある石油の消費も心配だ。

しかし、EVで あればそもそも排気管はなく、こんな心配をせずに 乗ることができる。しかも、EVはドライブも楽しい。高級車の条件は、静かで、発進や加速が力強く、 振動が少ないことだが、まさにEVの特長そのもので ある。その上、燃料代を大幅に削減できる。動力である電気モーターは、回転が滑らかで、振動が少ない。もちろん、音も静かで、大きな力を発生する。例えば、すべてのクルマがEVになった時の交差点を想像してほしい。交差点は驚くほど静かに、そしてクリーンに なる。付近を歩く子どもたちやお年寄りにも、笑顔が戻ってくるに違いない。身体が不自由な人や病気の 人は、部屋の中からEVに乗ることができる。音もなく、排ガスも出ないからだ。ひょっとしたら、そのまま病院の診療室に入れるようになるかもしれない。EVは、環境やエネルギーへの負荷が小さいだけではなく、人にも街にも優しいクルマといえよう。
慶応義塾大学政策・メディア研究科
教授 石谷 久 氏

EV技術開発と市場育成のため、関係企業の積極的な活動・支援に期待。

誰もが所有できるようになったクルマは、私たちの暮らしに欠かせない豊かさをもたらしている。他方でクルマの持つ環境への影響、特にCO2排出や石油資源などの問題は深刻で、石油依存のこれまでのクルマに代わる、よりクリーンで高効率、しかも石油代替エネルギーへの転換も容易なEVが脚光を浴びている。

EVは電気駆動のためにゼロ排出、高効率性に加えて静かで強力な発進加速など運動性能にも優れ、その一部は高性能HEV※に巧みに導入されている。

慶応義塾大学政策・メディア研究科
教授 石谷 久 氏
しかしながら、二次電池のコストや耐久性、エネルギー密度などの問題によって、これまで本格的な実用化には至らなかった。近年、クルマを取り巻く環境問題は一層厳しさを増し、EVの実用化への期待はますます高まっている。EVは短距離走行には魅力もあるが、 現状においては限定された使用に限られる。

技術のブレイクスルーによっていつかこの限界も解決されることを期待して、利用可能なところからEVへの転用を進めていくことが望まれる。EVの使い分けによりその市場をひろげ、またインフラ整備によって利便性をあげるなど、社会的な理解と支援によってEVが実用できる社会を実現することが、持続可能なクルマ社会を実現するためには必要である。このようなEV技術開発と市場育成のためにも、関係の深い電力会社をはじめ、さまざまな企業の積極的な活動・支援を希望したい。

※高性能HEV:電気モーターとエンジンなど異なる動力源を組み合わせたハイブリッド電気自動車(HEV)の中でも、トラックやバスなどより大きな出力を必要とするハイブリッド電気自動車のこと。

東京電力株式会社 技術開発研究所 電動推進グループ グループマネージャー 姉川 尚史
東京電力株式会社 技術開発研究所 電動推進グループ グループマネージャー 姉川 尚史

その魅力に感動する人が多いほど、EVは日常のものになる。

初めてEVに乗った時からその不思議な走りの魅力に取りつかれてしまった。エンジンの振動がなく、まるで雲に乗ったようなフワフワとした感覚。窓を開けると風切り音だけが聞こえてくる。スーッとスムーズでありながら驚くほど力強い加速感。ガソリン車がけたたましい音を出しながら発進するのを尻目に悠々と先を行く。その快適な乗り心地に思わず頬が緩んだまま運転を続けた。街中を走っていると、未来の車に乗っているようでなんだか誇らしい。

運転してみるとわかるが、EVは単なる自動車を越えてまったく別の乗り物に進化している。モーターショーや博覧会場に行くと、コンセプトカーとしてEVがたくさん出展されている。エンジンルームに束縛されない斬新なデザイン、電子制御がもたらすこれまでにない動き。EVには未来の可能性を感じさせるものがある。多くのエンジニアが「30年後にはEVの時代が来るだろう」と言う。

しかし、30年も待ってはいられない。この素敵な乗り物が少しでも早く 世の中に広まって欲しい。今の時代、作り手だけの思いでは物が売れなくなっている。やらなければならないことは、使い手の声を大きくしていくこと。だからこそ、少しでも多くの人たちにEVの乗り心地を味わってもらいたいのだ。自分がそうだったように、その魅力に感動する人が多ければ多いほど、EVが街を走っているのを普通の風景として目にする日が近くなると信じている。

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